皇国の守護者




「新城中尉殿・・・・・」
「・・・なんだ、
「私、西田少尉が好きでした」

人として、軍人として
なにより、あの人は優しい人でした

「・・・・・・・ああ」
「私にも優しく接してくださいました」

平等に、人として
あの人はこんな所で死んでいい人ではなかった・・・

鼻がつんとする
寒さではなく、痛みでもなく



名を呼ばれる
それは怒りでもなく、同情でもなく
ただ、静かに

「・・・もう、喋るな」

一言、つぶやいた
けれど、その言葉をきっかけに涙が零れ、て

「・・は・・・っ・・い・・」

あなたも優しい人です
軍人は常に平常心でなければならない


なのに新城中尉は私に泣くな、とは



沈黙の優しさ