PERSONA3








※注意・P3Pのシナリオの重要なネタバレしてます 

















「・・・・!」


真田先輩の声が聞こえる

けど、もう目を開ける力もなくて


「・・・!おい!!目を開けてくれ・・・っっ!!」


傍にいるはずなのに、その声は遠い
抱きしめられた肩が痛い
けど、それを伝えるすべはもうない


「・・・なぜ・・だ・・・なぜお前も俺を置いて・・・」



違う、本当は置いて逝きたくないのに
傍にいたい

家族も親友も失った人


失う痛みを知っている人

その痛みに耐える術を知っている人



そんなもの、もう二度と








「・・・・・・あ・・・き・・・」







はっきりと声を出したくても叶わなくて

それが悲しくて
首に温かなものが滑り落ちるのを感じた


本当ならくすぐったくて、笑ってしまうのに



その、表情さえ







「・・・?」





で、もそれはもう不可能なのだ
あの時すでに私は消えてしまって

今の私、は


「・・・・・・・お前・・・泣いて・・・」





ごめんなさい、真田先輩

私は貴方を置いて逝きます



でも、でもあの時、約束した気持ち、は













『ねえ真田先輩、私はずっと傍にいます』

『・・・なんだ急に』

『ううん、私がずっと傍にいたいだけです・・・』


ただただ不安で明彦に抱きつく
表情を見られたくなくて顔を肩に沈める

不安そうなのの様子を悟ったのか、真田は優しく笑っての頭を撫でて



『そんなの断る理由がないじゃないか、馬鹿だなは・・・』









そう言って私を優しく抱きしめてくれた貴方と

ずっと、ずっと一緒に生きていたいと思った感情、は











偽りなんかじゃありませんでした











でも、それを伝える術は