FINAL FANTASY TACTICS



手当てした王女護衛の騎士は魔法で眠らせた
意識が傷が痛みあっても苦しむだけだ
王女の警備騎士がこの有様、もし敵が侵入してきたら・・・

「・・・・・神父様」
「なんですかな?」
「私は扉の外で警護します」

ここで戦闘になったら危険ですから
はそう立ち上がりローブを脱ぎ捨てた
そのさいの腰には、とても不釣合いな物が見えた


「・・・・剣・・・・?」


先ほど は白魔法を唱えていたのに
腰には細長い剣を所持しているという食い違いに目を驚かしていた

その視線に気づいたのか は苦笑いで


「・・・ただの威嚇です、今は魔法が専門なので」
「あ、すみませんジロジロと・・・」
「いえ、気にしてませんから」

そう王女に微笑みかけた、そして神父の方に振り向き
真面目顔つきで

「シモン神父様、王女様をお願いします」
「・・・貴方に神のご加護を」


神父は一礼してに祈りを捧げた
はその言葉に対し無表情で


「・・・・・その言葉は王女様に捧げます」


感謝するわけでもなく、扉に向かった

それは幸か不幸か、オヴェリア達には見えなかった





「・・・・・神様、か」



は扉から出たあと

ため息を吐くように、つぶやいた



人はみな罪人、その罪をつぐなう為
神は死んだ
だから神を信じる者が救われて、幸せな日々を掴める


信じない、祈りも捧げない人間は
不幸になるという事なのだろうか

だからティータは

けど!けれど神が人を導く象徴ならば
ティータはいったい何の為に生きていたというのだろう




・・神とは・・・平等とは・・救いとは・・・・?




は目を閉じて今までの思考を遮った

いくら考えても、答えは霧の中に隠れて見付からない


「・・・・・」


は胸にかけてある木の十字架を摘んだ
小さな木彫りの神の化身

どんなに絶望しようと、この神は捨てられなかった




『・・・ほらやる・・』


子供心に一生懸命つくってくれた、この十字架
頬を染め、照れくさそうに渡してくれた


そうが懐かしく思いながら

窓から零れる光に十字架をあて見つめていると







・・ゃ・・ちゃ・・がちゃ・・・




「・・・・・!」



足音が聞こえた

石柱に隠れているのでこちらからは見えない
・・・鎧の噛み合う音・・・騎士?
鎧の主はの歩調は変わらない、つまり無傷

ラムザ達は・・?
全滅?まさか、それならば合図があるはず



一刻と迫ってくる敵に対し緊張が走る

相手は一人

ラムザ達を呼んでも来れるとは限らない
王女達を外に出すのは危険、他に待ち伏せがいたら終わりだ


――――それなら



「・・・・・・動くな」

・・・相手の歩調が止まった
しかしそれは一瞬で、またすぐに歩き出す

答えは無い、つまり敵

剣を抜く音が聞こえ、 は唱えた



「・・・光の全ては地に落ち、全ては幻 意識の闇に沈め闇縛符!」
「っちい!!」


一時的に視力を奪う陰陽術、これで多少は時間が稼げる
は次で鉢合わせとなる敵に向かい呪文を唱える
敵はすぐ向こうにいる


「虚空の風よ、非情の手をもって 人の業を裁かん! ブリザラ!!」
「命脈は無常にして惜しむるべからず葬る! 不動無明剣!」
「っ相殺して避けた!?」


は敵に冷気属性の魔法を放つ
だが、敵も同属性の攻撃を放ちの攻撃を打ち消した
だがの魔法をすべて打ち消すとはいかず敵も先ほどの勢いは失われていた

(障害魔法がもう切れた・・・!?)



の頬に汗が流れる

騎士と剣を交えるなんて細剣が持ちこたえるか 頭をよぎる
だが剣を抜き、これから来るであろう敵に構えた
魔法を唱えても間に合わない


「・・・・っ!」

は覚悟を決めた
すべて、ここで打ち倒さなければ、敵はもう目の前にいる!

「邪魔だ!!」

「王女は誘拐させない!!!」






















剣が交わり


ブラウンの瞳がみえる

瞳と同じ色の髪が、私の視界に広がる

その表情を見たとき、私の世界が止まった







だって

いるはずがないもの


ディリータは・・・・

・・・だって・・・・ディリータは・・・・・






『なんだ!? 爆発…???』

『ディリータ、ここは危険だ! 早くこっちへッ!!』

『ディリータ!!!』

『・・・ディリー、タ・・・・・・いやぁ・・ぁ!!』






















「・・・・・・・・・?」





目に映るのは死んだはずの、大切な幼馴染



















死んでしまった人 けど 生きていた人

けれどなぜ今ここに?